『Dear Sports Friend』1971年4月 卓球ジャーナル「発行人から」より

Dear Sports Friend

Dear Sports Friend,

Welcome to the 31st World Table Tennis Championships.

We not only welcome those famouse Champions but also we welcome those unkown champions as equaly as their Officials who dedicated their precious life time for our sport. 

We wish you will see the enthusiasm of our people to this sports through hospitality of the officials, activity of the players’ and behaviour the publics. 

We wish the excitement you feel this championships will be a great help for your future activities in your country to develope our sport.

Ichiro Ogimura

 

 

15年ぶりに開かれる世界選手権、それも史上最大規模。連日新聞紙面をにぎわして、成績次第では東京大会以来の卓球ブーム到来も予想されます。

切符も売り切れ、卓球人の一ロ5,000円募金も1,200万もの応募と、卓球愛好者の熱意の盛り上りが感じられます。

日本のこの卓球熱の盛り上りを、遠来の参加選手や役員の方に十分に感じとっていただき、それぞれの母国での卓球活動に一そうの熱意を傾けられることを期待します。

また、その感触を通じて、日本と日本人に対する親近感や理解が増進されることを強く希望するものです。

東京大会でスウェーデンが2名しか選手を派遣しなかったとき、3番手に20年前に卓球をやったことのある実業家が観客にきていたのを頼んで団体戦に出場したことがあります。

「我々はどんなにたたいてもよいから、あの人にはお手やわらかに」という主将の依頼で相手がミスするまでゆっくりとボールを送って試合したことがあります。

その人に対して、西独のNo.1選手がボールを高く上げて曲げて面くらわせたりして茶化したようなプレイをして満場の笑いをさそったことをその主将はとても気にしていました。

私たちはそのあと、その西独の選手と対戦し、21-0、21-1で勝ちました。世界のはてからくるチームの中には、ルールもよくわからずに参加する選手もありましよう。日本の高校生より弱い選手も多勢参加するものと思われます。

参加することに意義がある、参加した人はみな同じように敬愛すべき友だちだ、という気持ちでのぞみたいし、みたいものです。

ともすると、強い者以外は選手じゃない、共に語るに価しない、といった気分に犯されやすいものですが、ホストの日本側は、いろいろな面で細かいところにまで気をつけねばならないとおもいます。

1971年4月

荻村伊智朗

ディアー1971-4

 

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